会長挨拶
ご挨拶
日本地域福祉学会 第13期会長 永田 祐
日本地域福祉学会は、地域福祉に関する研究、会員相互の連絡と協力、内外の学会との連携を図り、地域福祉に寄与することを目的として、1987年11月に設立されました。学会の会員数は約1,540名ですが、会員のうち、社会福祉法人や社会福祉業議会、行政といったいわゆる研究者以外の現場の実践者が約半数を占めていることが大きな特徴です。「学会」である以上、地域福祉に関する研究が主たる目的であることはいうまでもありませんが、それを実践者と研究者が協働して進めることを大切にしてきた学会です。
こうした本学会の特徴を表す独自の事業の一つとして、「日本の地域福祉」という学会誌に加えて、2010年から発刊している「地域福祉実践研究誌」があります。いわゆる厳密な研究の手続きにのっとった「研究」だけではなく、実践者が現場で抱える課題を解決していくために、研究的な視点で取り組みを進め、自身の壁を乗り越えるだけでなく、そのプロセスを広く会員と共有していく「場」を作っていくことが、研究と実践をつなぐことを大切にする本学会の使命と考え、試行錯誤しながらこの雑誌を育てています。
また、現場の会員を中心に実践研究に取り組む環境を整備し、機運を高めていくために、地方部会の活動を重視しています。2023年度からは、地方部会での学会活動をよりいっそう活性化するために、地方部会の会員が主催する研究会や学習会、地域福祉実践を対象とした調査研究などの活動に対して助成する制度を創設しました。それぞれの地域で、学会に所属する研究者と実践者が、協働してこうした取り組みを行っていくことで、実践研究に取り組む機運が生まれ、その地域での実践が活性化することも期待しています。
さらに、2022年からは、団体会員制度を創設し、研究者、実践者、そして地域福祉を推進する多様な団体が、より幅広く研究と実践の往還を推進していくことを目指しています。
このように、地域福祉学会は、研究と実践をつなぐ「プラットフォーム」であることを大切にしています。研究者と実践者が協働した斬新な研究を、そして地域を変える先駆的な実践を生み出していくプラットフォームに、ぜひご参画ください。